2005年12月21日

カクレクマノミと金魚の混泳に成功? はあ(-_-メ)

某地方のローカルニュースで流れたネタだそうで、詳細等不明ですので伏せ字で書きますが、ニモの人工養殖成功 → 大量流通 → 値崩れ → 石垣島に放逐という地球にとっての大逆を為した、あのO県の専門学校が、今度はカクレクマノミの淡水化に成功したとかいうそうです。
ニュースを見た人の話では、水槽の中で金魚とカクレクマノミが一緒に泳いでいる映像が流れていたそうです。
金魚と海水魚が一緒に泳ぐ絵というのは、昔からあるトリックなんですけど、それとはまた別なんでしょうか。
一般に多くの海水魚は、徐々に訓化していけばある程度の低比重に順応します。スズメダイ科の魚は、その中でも特に汽水への順応性はあると思います。
他方、鯉や鮒といった魚は、水質の変化にはかなり強い魚で、河川によっては汽水域にも進出していますから、これも訓化していけば、半海水ぐらいの水なら普通に生きているでしょうね。
だから、鯉や鮒と海水魚が一緒に泳ぐという水槽は、別にケッタイなミネラルやらクラスター水やら使わなくても実現可能です。急激に放り込んで鰓を痛めたり、phショックといったことさえ避ければ。
但し、それは当分の間という意味です。どちらかの魚が腎機能障害で死ぬまでの間です。

ところで、この専門学校は実験用のカクレクマノミを売るほど生産していますので、マスコミ用の絵面はすぐに造れます。湧いて出た小魚の100匹や200匹の命ぐらい虫けらほどにも感じていないでしょうから、ひょっとすると多くの犠牲を払いながらも、低塩分に強いカクレクマノミの純粋培養といったことも可能かもしれません。
だから、一概に「トリックだ!」と喚き立てるのも憚られるのですが、私が解らないのは、自然界ならイソギンチャクを離れては一日と生きていられないカクレクマノミを、淡水に順応させて何の意味があるのかということです。もちろん世間に流通する多くの海水魚が命を落とす白点病。低比重での育成が可能であれば無菌(虫)魚の流通が可能になるかもしれませんが、アクアショップの店頭で他の廉価な魚と混泳させた瞬間、元の木阿弥ですからね(^_^;)

一方で、汽水魚とか淡水魚の扱いで流通させるという可能性もありますが、これについても甚だ疑問です。
例の“ニモブーム”以前には、「海水魚は淡水魚よりも難しい」という認識がアクアリストの間には普通にあって、そのために淡水カレイだとか淡水オコゼだとか、元々海にいる種類の魚を淡水魚扱いで売るという風土がアクア業界にはありました。
淡水○○というインボイスネームで売られる魚には、実際に純淡水棲の魚である場合や、稚魚の時に汽水域に進出する海水魚を訓化したもの等、色々ありましたが、その過半はずっと淡水で飼い続けていれば短命に終わるというのが一般です。
淡水(あるいは汽水)に訓化したカクレクマノミの場合はどうなのでしょう。

で、また件のニュースの話に戻りますが、この学校では鯛の淡水養殖ということを実験していて、「山奥でも鯛の養殖が可能になる?」ということが、このニュースの肝であった様です。
養殖魚業界でも海水性白点病の被害というのは甚大ですから、本当に鯛の淡水養殖が可能になるのであれば、それはそれで意義のあることかもしれません。
ただ、そのニュースの絵面として、金魚とカクレクマノミの混泳を持ってくるという、この学校とローカル局の料簡がさっぱり意味不明です。まして、この専門学校は“たくさんの反対意見”など一顧だにせず、カクレクマノミの自然界への放逐を行っている学校です。
もちろん放流個体と淡水訓化個体とは、当然、厳密な管理の元、きっちりと区別しているはずですが、それにしてもです。一方で魚の形質的特徴の改変を行いつつ、他方で同種の魚の放逐を行うというのは、マッドサイエンティストの発想ではないのでしょうか。
私の感覚では、マッドサイエンティストってのは秘密の実験室などでコッソリと地球征服を目論んだりするものだと思うのですが、この学校は頭の○○なマスコミを大々的に使って、また無垢な若者たちの汗と涙まで出汁にして、美談の捏造に余念がないのですよね…。
奇妙な世の中になったものです。
posted by プアマリナ at 12:13| 沖縄 ☀| Comment(8) | TrackBack(0) | 海水魚飼育とか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
むむっ!?
このO県の専門学校と言うのは、ひょっとして国の天然記念物アユモドキが摩訶不思議、「偶然」施設内のバケツから見つかり、
しかも何故かそれに飼育許可が出てしまった言う胡散臭いいわく付きの専門学校でしょうか?
しかも、岡山淡水魚研究会と言う環境問題に真摯で厳しい地元の任意団体の反対の声すら無視して。
Posted by 純 at 2005年12月21日 17:41
純さん、こんにちは。
うーんと(^_^;) このローカルニュース、私自身は見てないので何ともお答えできませんが、某専門学校にアユモドキ飼育のお墨付きを与えたのは、O県K育委員会の様です。
天然記念物と利権の不可解な結び付きには、必ずB化庁の影あり?(天然記念物の管轄だから当たり前か)

鍋の中から偶然オオサンショウウオが見付かった!なんてことがないだけ、マシと思わなければならないでしょうかね。(そう言えばO県にはカブトガニという天然記念物もいたな)
Posted by プアマリナ at 2005年12月21日 19:03
オオサンショウウオと言えば・・・
昔、伯父が飼っていました(~_~)

伯父曰く「飼っているんじゃあない、勝手に住み着いたんだ」って・・・(彼らも天然記念物・・・)
伯父の家はO県の山間部の清流の傍で、川から水を引いていたので、無理矢理なこじつけでしたが

オオサンショウウオが多く生息している地域の川から池に迷い込むことはあるかも知れないが、アユモドキがバケツに迷い込むことはありませんよねぇ・・・

あっちなみに、このサンショウウオは数ヶ月で池からいなくなりました。川から水を引いている用水の金網の隙間を抜け出て元の川に戻った模様です。
Posted by てとら at 2005年12月21日 23:42
てとらさん、御無沙汰です。
えっと、そういう生々しい話の場合は、伯父じゃなくてO父。オオサンショウウオじゃなくてOサンショウウオと伏せ字で書いてくれなければ(^_^;)

しかし、O県ってのは山あり谷あり、川もあり、その上S戸内海まであるので天然記念物の宝庫なのですよね。
この専門学校も鬼面人を驚かす様なことで生徒集めてないで、地元の人が誇りに思えるような真面目なことを考えてほしいものです。
その能力は充分にある様ですし。
Posted by プアマリナ at 2005年12月22日 10:52
あぅ、あ、汗ッ

プアマリナさん ごめんなさい
そういう‘お作法”があったんですか(^^;

今は知少なくなりましたが、O県山間部も高速道路ができる前(30年くらい前ですね)はOサンショウ魚も珍しくありませんでした。
OG上は自然派で、庭の池には川で捕まえたハヤ・山女・鮎などを泳がし(OB上は食料貯蔵庫と呼んでいましたが)ていたので、本当にOサンショウ魚が住み着いてもおかしくなかったのです。
OG上の家の前の川は、網を岩場の下に入れるだけで魚が取れるほどでしたが、今はコンクリート堰が出来て魚の住み難い場所になりました。

ちなみに田舎の池は、都会の家にある池と違って水が澄んでいるのですよ。
井戸か川から綺麗な水を引いて、用水に流して河に戻しています。
昔は、この池の水で野菜や食器を洗ったり、飲み水にも使っていたそうです。
今は農薬とかが怖くて飲めませんけどね。
Posted by てとら at 2005年12月22日 14:18
アレですか?マムシの道三だかマムシの純さんとかは、山椒魚くらい一飲みにしないと駄目って事でしょうか?
だーかーらー、食べ(て)ませんって言ってるじゃないですか(ノ_・。)
Posted by 純 at 2005年12月23日 01:28
古くはかの水戸光圀公もチャレンジなされたようですな。
Posted by cave at 2005年12月23日 02:08
いや、だから(^_^;)
M戸のC納言、先のF将軍、T川M圀公と…。
あ、当時はB化庁はなかったのか(~_~;)
Posted by プアマリナ at 2005年12月26日 12:45
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