2005年10月26日

群れで生活しているのではなく、群れているだけです

自己トラバです。誰も望みもしないのに騎虎の勢いで書いています(^_^;)
“オカヤドカリは自然界では群れで生活している”、実は、この表現からしてあまりにも欺瞞に満ちたものです。正しくは“オカヤドカリは自然界では群れて生活している”です。
“群れで”生活と言うと、猿の様にリーダーがいて、リーダーの統率の下に家族単位の群れを作り、ある程度の社会秩序を持ちながら暮しているイメージがあります。そして、確かにそういう生き物を単独で(群れから引き離して)飼育すると、寂しくて死んでしまうこともあります。
しかし、オカヤドカリはそうではありません。単に“群れて”いるだけです。生活場所が同じ、天敵から身を守るのに有利、繁殖の際に相方が見付けやすい…。要するに海の中で小魚が群れているのと同じです。
そして、海の中で群れている魚を水槽内に群れで入れると、必ず激しい弱いものイジメが始まり、最後には1匹になってしまうこともある。これは厳然たる事実です。
「え? オカヤドカリはむしろ昆虫に近い? バッタを複数飼育しても喧嘩しない? ギャフン(T*T)」
と言いながら、実は昆虫、それも樹液を主食にしている様なクワガタでも、飼育下で必須栄養素(タンパク質等)が足りなくなれば、手近にいる栄養素の塊、つまり自分の仲間を殺して食べてしまいます。ましてやオカヤドカリは多くの群れている魚と同じく、肉食もする雑食性です。

とはいえ、確かにオカヤドカリは脱皮時を除けば、複数で飼いやすい生き物です。あまりにも多数を同時に飼うのは、知的生命体の常識というレベルで最悪ですが、ある程度の大きさのある飼育ケースなら4、5匹ぐらい同時に飼うことが出来ます。基本的には(単独で縄張りを持たないため)争いを好まない生き物の様ですから。
但し、やはりこれだけはもっと突っ込んでおきましょう。天然下でもオカヤドカリは“群れで”生活してはいません。“群れて”いることはあっても、基本的には単独行動派です。天然下でのオカヤドカリを数年継続して観察している私は、そう断言します。お互いにある程度の距離を保ちながら暮しています。しかも誰が見ても実際に“群れて”いると思える状態になるのは、主に産卵期(つまり捕獲されたり、TV等で紹介されたりしやすい時期)です。

と、ここまで書いてしまうと、「オカヤドカリを虫けら扱いとは許さん!」ってな抗議が(別の方角から)飛んできそうな気もするので(^_^;)、補足しておきます。
天然下でのオカヤドカリは決して群れでいるわけではないですが、産卵期以外にも群れていることがある様です。一匹辺りには余分に大きい餌にありついた時などはもちろんですが、それ以外にもよく解らない理由で群れ集まって打ち騒いだりもするそうです。面白い生き物だといことには異存ありません。
また、飼育下で複数飼育していると、あっちから来たオカヤドカリとこっちから来たオカヤドカリが、ぶつかる一歩手前で止まり触覚を接触させて挨拶しているような行動をとることがあります。見ていて微笑ましい光景です。これも仲良くしているというよりはマーキングに近い行動だと考える方が合理的ですが、無用の争いを避けるためにしている行動ですから、挨拶といえば挨拶ですし、それをもって“オカヤドカリは社会性のある生き物だ”と言えないこともないです…。
虫けらとは違って、同種同士でコミュニケーションを取る生き物であることは間違いないですから(と言うか虫けらでもコミュニケーションは取り合うので)非道な消耗品扱いは、絶対にやめましょう。
posted by プアマリナ at 15:50| 沖縄 ☀| Comment(3) | TrackBack(0) | 海水魚飼育とか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年10月25日

飼育者ができる有限資源の保全

この時期、オカヤドカリ飼育者には寂しい思いをしている人が多いでしょう。
季節の変わり目で昼夜の温度差が激しいためなのか、もともと自然環境下でもこのリズムだったのか、飼っているオカヤドカリが一斉に潜ってしまっている人も多いと思います。
あるいは、夏場には元気だったのに、原因不明の死によって愛ヤドの数を減らしてしまった方もおられるかもしれません。

動く生き物のいなくなった飼育ケース。
あんなにゴソゴソ動き回っていた可愛らしいオカヤドカリ。毎日、色々な表情や仕草、ズッコケっぷりを見せてくれていた生き物が、急に火の消えたようにいなくなるのは、とても寂しいですね。
「まだ売ってるところがあるのなら、新しいのを追加購入したいな」
その気持ち、とてもよく解ります。
しかも、ネットなどで情報検索すると“オカヤドカリは自然界では群れで生活しているので、たくさんで飼った方が良い”といった記事もあります。
「なるほど。じゃあ、やっぱりもうちょっと多く入れても大丈夫だ。むしろ、もっと入れたほうが良いんだ」
そう自分を納得させたい気持ち、これもとてもよく理解できます。

でも、少し冷静になって考えてみてください。
この時期(だけではないが)購入したオカヤドカリは、やはり(店頭展示→飼育ケースへというのも含み)環境の変化により、すぐに脱皮に入るケースが多いのです。買ってきた日すぐに砂に潜ろうとするものもいます。
すぐに潜ってしまうので、また寂しい思いをすることだけが問題なのではありません。
新しく入れたオカヤドカリが掘り返している砂の中には、脱皮中の無防備な先住者がいるのです。そこを掘り返されたら、先住者はどうなるでしょうか。
また、脱皮事故が起こらなかったとして、全ての(先住者も新入者も)オカヤドカリが無事に脱皮を終えたとしたら、どうでしょう。あまりにもたくさんの数のオカヤドカリがいれば、脱皮に関係なくとも喧嘩を防げません。
貝殻の取りあい、餌の取りあい、必要な栄養分…。足りないものがあれば、オカヤドカリという生き物は手近なところから調達しようとします。つまり横にいる仲間から奪います。
周りに同じような貝殻がたくさんあるにも関わらず、仲間の貝殻を奪おうと3日以上、相手を押さえ込んでいたオカヤドカリを、私は見たことがあります(無理矢理引き離したら、すぐに別の貝殻に引っ越したのですが、押さえつけられていた方は歩脚を一本食いちぎられていました)。

私も飼育者の一人ですから、たくさんのオカヤドカリを飼いたい気持ちは充分に解ります。
ですが、購入に踏み切る前に、少しだけ冷静に考えて欲しいのです。今のままで数を増やして大丈夫なのか。それとも新たに飼育ケースがいるのか。
生き物を買ってから、飼育システムを考えるのは、泥縄の悪循環ですしね(^_^;)
自然下で群れているオカヤドカリ(仲間に襲われても逃げられる、群から離れて脱皮場所を確保できる)と、店頭で多数展示されているオカヤドカリ(餌も水も与えないので脱皮する体力も争う気力もない、しかも短期間の詰め込み)と、飼育下での複数飼育のオカヤドカリ。
これら3つは、全て同列に語れるものではないということも、念頭に置いておいて欲しいのです。

いくら現地に行けばウジャウジャいる(と言われたのも数年前までの話らしいです)生き物でも、必ず数に限りのある大切な、同じ地球の仲間です。
非合法でない限りは、商品として扱うことに誰も反対しませんし、できませんし、その扱い様を批難することもできません。ただ、飼育者のレベルで“少しだけ冷静に”なること。それさえできれば、限りある資源を守れるのです。
そのことを、少しだけ考えてみませんか?
posted by プアマリナ at 16:11| 沖縄 ☀| Comment(2) | TrackBack(1) | 海水魚飼育とか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年10月18日

うわぁ! 今度はヤドカリ武芸者の霊がぁ…(がくっ)

甞て某所に或人あり。軈て彼の人アクアショップを開業せり。
暫時、営業して後、漸ふにして曰く「生き物を商ふに於ては、自宅にて飼育せる如くには往かず。消耗品扱いするに忍びずと雖も、右から左への一流通商品に堕さざるを得ず」
我思ふに、彼の人を責むるに忍びず。生業なればこそ、この仕儀に及ぶも又やむなし。
但し、我更に思ふ。彼の人、万が一つにも“飼育情報”なるものを自ら語るなかれと。
販売が飼育とは異なるものであるに及びては、己が未経験なる事柄を、したり顔に他人に勧むるなかれと。
「簡便なり」とは、尚更言うまじき由也。

飼育者の存念に於ては、さらさら怠りなきよう。
世のペットショップなる輩の十に八、九は、蓋し斯くの如し。夢々肝に銘ずべし。
posted by プアマリナ at 20:41| 沖縄 ☀| Comment(2) | TrackBack(0) | 海水魚飼育とか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年10月14日

独り言なので気にしないでね

私が数年来ずっと主張してきているのは、生き物を飼育するということは、金掛けて手間を省くか、手間ひま掛けて金を省くか、頭使って金も手間も省ける様に工夫するか…ということです。
なので、金も暇も頭もない私が生き物をたくさん飼ってるのは、苦行に近いです(T*T)
生き物によっては、金も手間ひまも掛けた上に頭も使わないと飼えないのがいるので、そういうのは私は飼えない。だから飼わない。

ちなみに、金にせよ、手間ひまにせよ、頭にせよ、それは全て生き物を飼うために使うものです。
飼育器材などには「ちょっと暴利じゃないか?」と思うようなものも多々ありますが、これだって生き物を飼うための目的で研究に研究を重ねて開発した末、需要が少なかったということに起因するので、(私は買えないが)止むを得ないことだと思っています。
私は、生き物で商売しているからといって、その業者を責めたことはない。文句を言ったこともない。批判したこともない。時々商品も買っている。
金も手間も頭もいらないよ。メンテナンスフリーの癒し系だよ!ってな嘘ついて売ってる業者や、騙されて結果的に金使わされて、それでも業者を信じ続ける(金と暇はあるが能天気な)カルトな連中が、受け入れられないだけだ。

私の知る限り、一般人の家庭で飼える生き物で、かつメンテナンスフリーな生き物は、イモリぐらいしかいない。定期的な餌やりや掃除はメンテナンスではなく常識ですからね。餌やりや掃除さえもメンテだと言うのなら、(飼ってると言えるかどうかは別にして)クマムシぐらいしか存在しない。
餌もやらず掃除もせずでは、バクテリアだって生きていられないぞ!

私が受け入れがたい業者は、生き物の命や飼育者の気持ちといった物には全く興味がなく、客受け(=金)にしか目が行っていないので、○○に耳の良い宣伝文句、即ち“簡単さ”しかアピールしない。そして他人様の飼育情報を盗む際にも、自分にとって都合の良い(=商売に利用できる)部分だけを(なぜかGoogleじゃなくてyahoo!で‘おかやどかり&天然塩’とか妙なワード検索かけてきて)抜き出そうとする。
キサマらの目は節穴か! あまつさえキサマらの稚拙な検索スキルに乗っからないからといって、「生態には解っていないことが多いのです」とは何事か。

私が受け入れがたい業者のカルトな客は、生き物を買う責任感や地球人の一人としての自覚に著しく欠けた○○なので、耳に心地よい安易な情報しか信じないし、ペットの命よりも自分が業者にちやほやされる方を優先し、“歯の浮くような追従”で業者を褒め称える。そして他人様の飼育情報を覗く際にも、自分にとって都合の良い(=死んだのは自分のせいじゃないと責任逃れできそうな)部分だけを(なぜかGoogleじゃなくてMSNサーチで‘おかやどかり&貝殻から出た’とかワード検索かけてきて)探して安心しようとする。
キサマらは全てにおいて完璧なるホンマモンの○○か! あまつさえキサマらの稚拙な検索スキルに乗っからないからといって、「ベテランの人でも解らないことだらけなんですよね」とは、言うに事欠いて何を抜かしとるか!

ってなことを、一度で良いから言ってみたいよな(^_^;)
posted by プアマリナ at 18:25| 沖縄 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年10月12日

甲殻類はベントスなんす

甲殻類は体が固い殻で覆われているので、環境変化に対応するには脱皮するしかないんです。
魚だったら、比重が高くなれば身が締まり、低くなれば膨張し、といった具合にある程度の適応力を持ちます(それでも、あまりに変化が激しいとショックで大暴れして死んでしまう)が、水棲のエビもカニもヤドカリも、温度・水質・ph・比重など、どれか一つでも環境に変化があると大暴れします。やがてグッタリとなって、脱皮します。この緊急避難的な脱皮は通常の成長に伴う脱皮よりも生存率がグッと下がります。
それを防ぐためには、新規投入の際、最低でも2時間ぐらいかけて水合わせをする必要があります。あまりに新旧の環境が違いすぎる場合は、慎重に水合わせしても脱皮に失敗、あるいは脱皮に成功してもダメージが残り、死んでしまいます。
投入の際に水合わせしなかった場合、あるいは大量に水換えした場合、あるいは少量水換えであっても脱皮後間もなくであった場合などは、即座に気絶してそのまま死んでしまいます。
成体のエビやカニやヤドカリは典型的なベントス(水底で固着生活を送る生物群と理解してください)ですから、そのベントスが大暴れするのを見て、まともなアクアリストなら「元気良いな」とは普通思いません。

ところで、陸棲の甲殻類の場合はどうでしょうか。
水の中に住んでいる物とは違い、周りは空気ですから普通に飼ってる限りは温度の急変以外には、そう神経を使わなくても大丈夫です。
しかし、よほど杜撰に管理されていた、あるいは乾ききった環境で萎びていた様な物を、急に(例え良い環境であったとしても)別の環境に放り込めば、やはり大暴れします。大暴れ以降は水棲甲殻類と同じなので省略します。
まさかとは思いますが、買ってきた陸棲甲殻類が大暴れするのを見て、「元気良いな」と喜んで手に取ったりしてる人はいませんよね(^_^;)
あるいは、霧吹きで水をかけたら「喜んで元気よく動き回るよ」とか言う人はいないはず(この場合はまだ慌てているだけなので、ずっと嫌がらせを続けないかぎりは生き延びる確率も高い)。

甲殻類にとって“大暴れ”は、時に“死の舞い”だということは、生き物を飼育するなら是非知っておいてほしいことなんです。
ちなみに、大暴れする個体=元気。暴れない(暴れる体力さえないほど弱ってる)個体=おとなしい。という風に“何でもええように言う”業者もいますので、生体を購入する際には、更に気を付けましょう。
posted by プアマリナ at 13:21| 沖縄 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 海水魚飼育とか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年10月04日

生き物の多数飼育に思う

例えばマリンアクアの世界では、「多数で飼った方が楽しいし、魚も喜ぶよ」ってな言葉に乗せられて、小さな水槽で、たくさんの魚を飼いはじめたものの、一匹、二匹と喧嘩で、あるいは弱って死んでいき、そのうち水槽全体の環境が悪化し、無駄な器具や魚病薬や水質調整剤の様なものまで買わされた挙句に、全滅&水槽崩壊。そこで初めて“もっと大きい水槽”を薦められ、唖然となったなんてアクアリストは、珍しくありません。
逆にショップ側から見れば、最初に小さな水槽での多数飼育を勧め、次々と小さい水槽専用の器具を追加購入させ、時にはサービスと称して不必要な匹数の生体をおまけし、飼育者が挫折したころを見計らって大きい水槽を勧め、次々と大きい水槽専用の(以下略)。という鴨は、大のお得意様なのです。
最初から大きい水槽を買う客や、小さい水槽であっても匹数を抑えて飼える客は、店の儲けにならないのです。

さすがに、この様な悪質なショップは最近では見なくなりました。
いわば手垢の着いたこのような手口に、アクアリストの方もおいそれと引っ掛からなくなったからなのでしょう。
さて、他の生き物の場合はどうでしょうね?
妙に多数飼うことを勧める業者や、小さい飼育容器を勧めてくる業者って心当たりありませんか?
posted by プアマリナ at 15:44| 沖縄 ☀| Comment(3) | TrackBack(0) | 海水魚飼育とか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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