2005年08月26日

外伝後日談:Re:「 FW: RE: FW: Re: Fwd: じぶんはいいけど人はだめ?」

前略 疑問に思う様
メールありがとう。二課を代表して私から返信しよう。

> おまえらみたいなのを、メクソハナクソと言わないか?
この後に続くアスキーアートは、何だか判らなかった。すまんな。
どこかの板からコピペしたんだろうが、空白位置がずれてるのではないかね?
また、今後はブラウザとメーラの文字コードの違いも、考慮したまえ。

さて、タイトルも本文も最後が?マークになっていたので、質問であるとの判断に基づき返答しよう。
キサマが神の視座から言っているのなら、答えはイエスと言いたいところだが、メクソハナクソとは言わん。「目くそ鼻くそを笑う」が正解だ。神なら間違わん。
次に、キサマがキサマ云うところのハナクソ側の人間であった場合や、どちらでもない第三者であった場合は、答えはノーだ。
質問の書き出しが二人称複数形になっていることも鑑み、私自身は汚い言葉遣いは嫌いだが、キサマの言葉を借りて整理する。

メクソ=生き物を長く大事に飼っていて、そのライブの経験を、同じ生き物を飼う者と、飼われる生き物のために、無償で公開している者。あるいは、その情報を元に今後大事に飼おうとしている者。あるいは、その情報を充分に鑑みたうえで自分なりの飼育方法を模索している者。

ハナクソ=生き物を消耗品と勘違いし、盗んだ情報の都合の良い部分だけを公開し、ある時は捏造し、あこぎな金儲けの種にしている者。あるいは、その余禄に預かろうとしている関係者。あるいは、そのガセネタに疑義を持たず無神経に支持する者。あるいは、そのガセネタについて深く考えもせず自己の権利のみを拡大解釈し、生命あるものの身を危険に晒して省みない者。

このメクソには、ハナクソを笑う資格は充分にあると思うが、どうかね。
いや笑っている場合ではないな。

 二課長 口子  拝
posted by プアマリナ at 14:45| 沖縄 ☀| Comment(2) | TrackBack(0) | デカ長:島 奥作 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年08月25日

外伝:闘い済んで…。(間欠編)

 うなだれて、引っ立てられていく集団を横目に見ながら、島は口子の元へ歩いていった。
「口子さん、どうもお疲れさまでした」
「島さん、いつも言ってるだろう。そのファッションセンスは、どうにかならないのかね。そんな恰好で歩いてるのは、今どき非番の警察官ぐらいのものだよ」
「実際非番だったんですが…」島は頭をポリポリ掻いた。「いや、そんなことより口子さん。あの自称愛好家どもの騒動の裏には、例の果物屋がかんでます」
 口子は、やれやれというように島を見て、首を振った。
「君は、今さら何を言ってるんだ。私が君を助けるために、この大部隊を繰り出したとでも? それとも、たまたま完全武装の一個大隊を連れて飲みに出たところで、この遭遇戦になったとでも?」
「その後者の方で…。」
「ばか! 果物屋については、色々と調べがついてたんだ。オカヤドカリの飼育情報に関して、他人から盗んだ、それも商品販売に役立つよう歪曲した情報だけを流布させ、商品販売に不利な飼育情報については“オカヤドカリの生態は、はっきりわかっていません”と論理のすり替えを行い、時には巧みに善良かつ無知を装いつつ、今回の石鹸ネタのような、てめぇんとこの高マージン商品を売らんがためのセコいガセネタを流し、被害者の再三にわたる抗議は一顧だにせず、普段は忙しい忙しいと抜かしてるくせに、見かねた善良な人間のしごく真っ当な意見は、あっと言う間に消しちまう。その行状は真に許しがたい」
「なら、そっちの方にも捕方が回ってるんですか?」
「それがだね、島さん」さすがの口子が言い淀む。「この件に関しては、我々は既に管轄外だ」
 島の怒りが爆発した。
「なんですって! そんな馬鹿な! まさか口子さんまで、この件は分化庁の管轄だってぇ、逃げるわけじゃないでしょうね」
「そう怒るな」なだめるように両手を広げた。「ところで、その分化庁なら何度メールを出しても梨の礫で、誰が電話しても“今、担当者は不在です”だ。同じ公僕としてみれば許しがたい怠慢だよな…って、そうじゃない。この件に関しては、既に加藤改が動いてる」
 島は、ハッと息を飲んだ。
「なんと! あのカンキー和尚部隊が!?」
「そうだ。捕獲しやすい繁殖期間中のオカヤドカリを大量に買い漁り、抱卵していると判ったうえで高値で売り捌き、あまつさえ種の多様性保護を全く無視してゾエアの乱放逐を促すような野郎でも、同情したくなってきただろ?」
「幸運を祈りたいですね。ヤツにはきっと、それが必要になるでしょう」
「さてと」口子は表情を和らげ、島から視線をずらした。「阿有くん、矢浪くん、我々の仕事は終わったよ。ご苦労さん。飲み直すとするか!」
 その背中を見ながら島は一人ごちた。
「やっぱり飲んでたんじゃねえか…」



【今回の登場人物紹介】
島 奥作(しまおくそく)=デカ長。非番を返上。
阿有 追生(あゆついしょう)=若手のピース。島の部下。さっきまで飲んでいた。
矢浪 次大(やろうじだい)=島の部下。キャリア。さっきまで飲んでいた。
口子ボス(ぐちこボス)=二課長。島の上司。さっきまで飲んでいた。

【会話に登場した組織の解説】
加藤改カンキー和尚部隊(かとうあらためカンキーおしょうぶたい)
俗姓加藤、得度後カンキー和尚を名乗る謎の人物に率いられた特殊部隊。かなり情け容赦のない手段を採ることで、その筋では有名らしい。蛇足だが部隊の英文表記は「Team Kanky osho」。
デカ長:島 奥作 外伝〈了〉
posted by プアマリナ at 15:02| 沖縄 ☀| Comment(6) | TrackBack(0) | デカ長:島 奥作 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年08月24日

外伝:二課長の長広舌(捕捉編)

 口子は、朗々と語りだした。
「そもそも石鹸とは何だ? 仮にも洗剤である限りは汚れを落とすものだ。洗剤が汚れを落とすメカニズムは、界面活性作用だ。これは天然素材であろうと合成素材であろうと関係ない。石鹸素地そのものが界面活性作用を持つから汚れが落ちるのだ」
「おい、長くなりそうだぞ」島は二人の部下を振り返り、やれやれといったポーズをした。「先に帰るか?」
「いや、そういうわけにも…」と阿有。またタバコに火を点けた。
 口子の語りは、よどみなく続く。
「界面活性作用とは、簡単に言うと、本来は水に溶けない物質を水に溶けるようにして汚れを浮かす作用と考えれば良い。つまり、我々脊索動物門脊椎動物亜門哺乳綱の生き物の皮膚の汚れを皮脂ごと、あるいは衣類に付着した皮脂などを、水に溶けるように分解するものが石鹸だ。そして、その石鹸によって水に溶かされる物質の主成分は脂肪とカルシウムとタンパク質だ」一息つき、一同を見渡した。「節足動物門甲殻亜門の生き物の外骨格がどういった成分で出来ているかは、説明を省くが、後天性免疫を持たない甲殻亜門の生き物がウイルスや細菌から身を守る先天性免疫物質であるキチンは、外骨格に多く含まれている水溶性の多糖体だ。界面活性作用によって剥き出しにされるべきものではない!」
「でも、刑事さん。ぼくたちが使ってる石鹸は、口に入れても大丈夫なんですよ」
「ふん。私は寿司を食べるし酒も飲むが、エビやカニやヤドカリを酢やアルコールで磨いたりはしない。自分が食べるとき以外はな…。だが良い質問だ。確かに洗剤の中には、特に食物由来の洗剤で、界面活性作用とは別の作用で汚れを落とすものがある。アニオンやカチオンといったイオンの電荷を利用して、汚れ即ち微粒子を電着して取り除く洗剤だ。自然界からの物質で作られているうえ、廃液も比較的無害化されやすいので環境に与える影響も少なく、また我々の皮膚に染み込んだり付着して残留することがないので、洗剤としては素晴らしいものだ」口子は、ここでまた一息入れ、再び一同を睥睨した。「だが、甲殻亜門に使用するには問題がある。本来アニオンやカチオンを、キサマらが学校で習ったような酸やアルカリといった概念に直結させるのは危険な思考だが、どうせ理解できないだろうから、ここでは便宜的に酸やアルカリとしておくと、それが外骨格の主成分である炭酸カルシウムに及ぼす影響は、界面活性剤の比ではない。それは分子、いや、原子レベルでの激烈な作用だ!」
 しんと静まる一同から視線をずらし、口子がこちらをチラリと見る。
「矢浪くん。調書をとる必要はないよ。今まで述べたのは、近所のドラッグストアの店長と魚屋の大将からの受け売りだ。私自身、真偽のほどは解っていないからね」自称愛好家の方へ顔を戻す。「聞いた通り、今までの話は半ばデタラメだ。ところで、私の方からも一つ聞かせてもらおう。キサマらは一体、何のために危険を冒して、それも自分の身ではなく無抵抗の弱い生き物の身を危険にさらしてまで、石鹸で洗おうとするんだ?」
「だって、ハミちゃんの体にダニが着くことがあるんだもん」
「キサマ、親は元気か? 何、元気だ? なら悪いが親も逮捕だな。ダニなど急に飼育ケースの中に発生したりするか。極端に生体管理の悪い悪質な業者から、はなっからダニ着きの物を買わない限りはな。だが騙されたにしてもタチが悪すぎるぞ。ちゃんとした清潔な飼育環境で飼ってやり、しかもオカヤドカリの飼育に必須の海水浴を適宜させてやれば、ダニなどすぐにいなくなるんだ。いやキサマだけが悪いんじゃない。そんなことさえ知らずに生き物を飼い、あまつさえ石鹸で洗おうなんて考えを起すキサマを生んだ親が悪い。他に言いたいことのあるやつはいるか?」
 最早、咳一つ聞こえなかった。
「よーし、ならばキサマらの罪状を説明してやる。よく聞け。生き物を生き物と思わず、自分の思い通りにしてよい人形か玩具のように勘違いし、子供にでも解るような生物の知識さえ持たず、営利目的で口からデマを吐くクソ業者の言を鵜呑みにし、それどころか賛嘆し、業者の言うまま高額商品を次々と買い漁り、第三者にまで奨め、無抵抗の生命ある小さな生き物をいたぶり尽くしたキサマらの罪は、万死に値する。神妙に縛につけ! えーい! 者共、引っ立てぇい!」



【今回の登場人物紹介】
島 奥作(しまおくそく)=デカ長。非番を返上。
阿有 追生(あゆついしょう)=若手のピース。島の部下。
矢浪 次大(やろうじだい)=島の部下。キャリア。
口子ボス(ぐちこボス)=二課長。島の上司。本編に登場することはないはず…。
サロンに集っていた自称愛好家たち=引っ立てられた。
posted by プアマリナ at 14:50| 沖縄 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | デカ長:島 奥作 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年08月23日

外伝:その夜の島奥作(後編)

 さすがの島も、身の危険を感じる。「ダメだ。こいつら生物的な判断が出来ていねぇ」
 だが、暴徒どもの後方から、別種の反応が起こり、波のようなざわめきが前まで伝わって来た。
「やばいよ。囲まれたみたいだ」
 その言葉を島が理解するより早く、彼には聞きなれた声が会場の外から響いた。
「よーし! クズども動くな! 一斉検挙。かかれ!」
 完全防護服に身を包んだ機動隊員たちが、玉散るジェラルミンの盾を並べ連れ一斉に突入してきた。盾の隙間から繰り出される鋼入り濃紺のグローブが、容赦なく自称愛好家どもの生身の肉体を叩きのめしていく。
「手加減すな! 敵は古今無双のクズどもぞ!」
 隊員たちに意味不明の檄を一つ入れ、阿有刑事が駆け寄ってきた。
「デカ長、危ないところでしたね」
「ああ、追生。絶妙のタイミングだったな」
「ええ、本当に。もうちょっとでも早ければデカ長まで、逮っちまうところでしたよ。しかし」言いながら阿有は、ポケットから出したタバコに火を点けた。「なんで非番のデカ長が、こんなところにいるんすか?」
 阿有の背後の『禁煙』の文字が、ライターの火に浮かび上がった。
「うん。いろいろあってな。ところで追生」島は、阿有の持つタバコを指さした。「ホープは止めたのか?」
「ああ、これですか? 最近ピースに替えたんですよ」

 騒ぎが静まるのを待って、二人は外に出た。外では矢浪刑事が、大勢を前に権利を読み聞かせている。
「いいか、よく聞け。まずお前らには、今から当分は人権はねぇ。もしも登場人物が把握できてねぇやつは、一番右下の“デカ長:島 奥作”というリンクボタンをクリックして、一番下の記事から読んでみろ!」そこで一息つく。「それから、本編が何で進んでねぇのか、疑問に思うやつはいるか? それはな、現実が筆者の予想を遥かに超えて悪くなったからだ。以上だ!」
「でも刑事さん。ぼくたちは何で逮捕されなきゃいけないんです? オカヤドカリ洗う石鹸は、100%天然素材なんですよ」
「それは私から説明してあげよう」
 矢浪の後ろから、パリッとスーツを着こなした紳士が進み出た。インテリ然とした銀縁メガネが、キラリと光る。
「課長」「ボス」「口子さん…」



【今回の登場人物紹介】
島 奥作(しまおくそく)=デカ長。非番を返上。
阿有 追生(あゆついしょう)=若手のピース。島の部下。
矢浪 次大(やろうじだい)=島の部下。キャリア。
口子ボス(ぐちこボス)=二課長。島の上司。本編に登場することはないはず…。
サロンに集う自称愛好家たち=検挙された。
posted by プアマリナ at 18:47| 沖縄 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | デカ長:島 奥作 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

外伝:その夜の島奥作(中編)

「なに騒いでるの、オジサン。オジサンのヤドたんは、洗わないの? 清潔が一番でしょ」
 こいつは何を言っているのだ。島には到底理解できないことだった。
「犬や猫ならともかく…」口の中が、からからに乾く。「おい、ヤドカリは毛皮なんて着てねぇよな。あの皮みたいに見えるのは、確か骨だよな。一体何のために洗うんだ?」
「そんなの関係ないって、石鹸で洗ってやったら、奇麗になるもん」
「い、いや、見た目についての見解はともかく、ただでさえナイーブな生き物の体を、ゴシゴシこすっちゃったりしたら拙かねぇか。しかも石鹸使うって…」
 ほとんど泣き声になっていた。ナイーブなどという使い慣れない外来語を使うことからして、既に尋常の精神状態ではない。
 石鹸で洗うとは一体…。水のPhが合わないぐらいで脱皮に失敗して死んでしまう生き物の体に、石鹸を塗りたくるとは何故…。見るからに細かいパーツの組み合わせで出来てる節足動物の体を、人間様のゴツイ指でこねくり回すって何…。ちょっと驚いただけで必死で貝殻の中に引っ込む臆病な生き物を、有無を言わさず引っ張り出して奇麗にする必要性は何処に…。
 客を客とも思わず、商品さえ大事にせず、客の手元に届いて暫く生きていさえすれば成り立つような外道商売を生業とする悪徳業者が、同じく酷薄で無神経な客の目を謀って、瞬間的に商品価値を上げるためだけに、生き物を石鹸で磨くというのなら、解りたくもないが判らぬでもない。ひょっとすると洗った直後だけはヤドカリの外骨格が変色し、オークションの落札価格を引き上げてくれるかもしれない。
 だが、完全に末端消費者である自称愛好家が、自分の飼育している生き物を石鹸で洗う必要が、一体どこにあるというのだろうか。
「だって、石鹸で洗わないと、臭いし汚いでしょ」
「てっ、てめえら! それでも人間か!」
 この人間なら当たり前の、島の叫びは、魑魅魍魎集う黒ミサの席では危険極まりない代物だった。
「あ、オジサン、もしかすると“自分は良いけど他人はダメ”っていうファシストの人?」
 自称愛好家たちの間に、ざわめきが拡がった。
「何だって? 自分は良いけど他人はダメっていうマルキストが紛れ込んでるの?」
 たちまちサロンは修羅場と化す。あちらこちらから意味不明の怒号が飛んだ。
「グリーンピースだ!」「ネオコンだ!」「ナチだ!」
「2ちゃんねラーだ! いや、カプセル詰め反対の会の運動員だ!」
 暴徒と化した自称愛好家たちが、神憑り的に殺気立った目で、島を取り囲んだ。


【今回の登場人物紹介】
島 奥作(しまおくそく)=デカ長。非番を返上。
サロンに集う自称愛好家たち=外道。ケダモノ。彼らを人類と呼べるのなら、筆者は喜んで人類を辞める。
posted by プアマリナ at 12:44| 沖縄 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | デカ長:島 奥作 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年08月22日

外伝:その夜の島奥作(前編)

「こいつぁ…。生き物の玩具扱いなんて生易しい話じゃねぇ…」
 元店員から聞いた情報を頼りに、非番を返上して愛好家の秘密のサロンに潜入した島は、そこで交わされる会話の、あまりのおぞましさに息を呑んだ。「こりゃ愛好なんてもんじゃねぇ。カルト教団だ」
 島が、まず愕然としたのは、自称愛好家たちが決まったように口にする“ジセツ”という暗号のような言葉だった。
「ぼくのヤド太郎なんだけどさ、昨日、ジセッちゃって、脚が一本足りないのは不細工だから、ほかしちゃおうかな」
「そうだよねぇ。次の脱皮まで待ってられないよね。ちゃんと再生するかどうか不安だし…。新しいの買ったら?」
 もとより生き物については、あまり詳しくない島だったが、それにしてもオカヤドカリの脚がそう簡単に取れるような物でないことは、見ただけでも判断がつく。販売店での管理が不適切で、店頭で既に足が取れている(そして50円引きになっている)様なものを除けば、あまりに大きさの違う物を狭い容器で不必要に多数飼育していたり、飼主が自己満足だけのために嫌がるオカヤドカリを無理矢理いじり倒したりしない限りは、脚など簡単に取れる訳はない。
 そもそも“新しいのを買う”とは、一体どこからそのような悪魔の発想が生まれてくるのか。
 島は“人の心”を持っていたがゆえに、不幸だった。この異常カルト集団の中においては…。
 一頻り自切の話で盛り上がった愛好家たち。茫然自失とする島を尻目に、話が小康状態に陥ったと、ホッとするまもなく、彼の左後方から甲高い声が響いた。
「新情報!! あのさ、ヤドたんの体を石鹸で洗ってやるのが、最近の流行りなんだってさ!」
 ついに島は落ちた。目の前が真っ白になり、意識は奈落の底へ落ち込んでいく。このまま闇の中へ吸い込まれていくのかと思う間もなく、体の奥底から真っ赤に焼けた怒りが吹き出し、彼を正気へと引っぱり上げる。
「キサマら! ヤドカリを石鹸で洗浄するダと!?」
 だが、この島の、人間なら当たり前の感情の発露は、この場においては更なる不幸を招き寄せることになる。


【今回の登場人物紹介】
島 奥作(しまおくそく)=デカ長。非番を返上。
サロンに集う自称愛好家たち=外道。クソ野郎。「知らなかった」で済まされるような生易しい者共とは違う輩。ちょっと普通では思いつかない臓腑を抉るような罵倒を浴びせても足りないほどの凶悪な連中。筆者は同じ空気を吸うのもイヤダ。
posted by プアマリナ at 21:42| 沖縄 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | デカ長:島 奥作 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年08月19日

番外編:ある日の島奥作

「おやっさん。ヤドカリ5匹、注文入りました」
「ん? ほな適当に10匹ぐらい見つくろって郵送しとけ」
「じゃけぇ、おやっさん。ご注文は5匹やないですか」
「こんなあアホか。5匹注文した客に5匹送って、1匹でも死んどったらどないなる思うとる。大騒ぎしよるで。10匹ぐらい入れといたったら、2、3匹死んどっても騒がんやろが」
「はぁ、なるほど。さすがはおやっさん」
「ヤドカリみたいなもん、タダ同然で、どんどん沖縄から送ってきよるから、5匹も10匹も変わらん」
 しきりに感心しながら、佃煮のようにひしめく貝の中から適当に10匹ほど掴み、梱包しようとする。中身が入っていようがいまいが、特に気にならなかった。
 と、その背に、怒号が飛んだ。
「ドアホ! いま、こんなあが手にしとうヤツ、よう見てみぃ!」
「え? 普通のヤドカリと違いますの?」
「そのピンク色のヤっちゃ。ちっこいピンクの」
 彼は、今しも梱包しようとした粗末な紙の箱を再び、恐る恐る覗いた。
「…って、おやっさん。こりゃぁどう見ても茶色にしか見えませんで」
「ボケ! そんなもん写真撮ってネットに晒したら、何色にでも見えるんじゃ。ピンクパープル系アーマンとか適当に名前付けて、サクラ使うて値段上げてったら、5千円は固い。そいつは別にしとけ!」


 果物屋の店員だったというこの男の告白に、島は愕然となった。
「おい、そんな外道商売が罷り通ってるのか? 世間では」
「はい。刑事さん。しかもね、お客さんからはサービスが良いって、評判の店だったんですよ」
「とんでもない話だな。一体、世の中どうなってるんだ」
「でもね、刑事さん。外道商売とおっしゃいますが、客だって似たような連中ばかりなんですよ。おやっさ、じゃなかった、店長いつも言ってたんですけどね」
「なんて?」
「こない虫ケラみたいなもん飼うとるヤツは、アホばっかりじゃ。別にヤドカリが生き物やと思うとらんし、ちょっと相談乗るふりして、ガセネタつかましたったら、すーぐなついて来おる。ちょろいもんや。ってね」



【今回の登場人物紹介】
島 奥作(しまおくそく)=デカ長。非番。
彼(この男)=元店員。なぜか果物屋でオカヤドカリを売っていた。
posted by プアマリナ at 18:08| 沖縄 ☁| Comment(1) | TrackBack(0) | デカ長:島 奥作 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年08月18日

“専用”には、気を付けろ!

うーんと、最近あちこちで“ヤドカリ専用サンゴ砂”なんて表記を見るんですけど、これには何の意味があるのでしょうね(?_?)
オカヤドカリ飼育の観点から見れば、珊瑚砂は確かに(メンテナンスの点で)飼育に向いていますけど、珊瑚砂じゃなくてもオカヤドカリは飼育できます。
珊瑚砂という範疇で見れば、普通にアクアショップなどに行けば、(たかが砂ですから)そう高くない値段で珊瑚砂は買えますし、この砂でオカヤドカリは充分に複数年飼育できます。でもこれは別に“ヤドカリ専用”ではありません。
そもそも天然自然のオカヤドカリは、珊瑚砂の浜を歩いてることはあっても、常駐しているわけではないし…。
そう言えば、(人間ではないどころか)生物としてのモラルの完全に欠落した、生き物を交換可能な消耗品としか考えていない、「餌も水もやらずに仮死状態にしておけば管理が楽です。死んだら補填しますので」というセールストークでTOMYのシェアを食い荒らした、大嘘つきの某ペット用品・生体卸メーカーが、オカヤドカリをピンポイントで殺すために考えたとしか思えない処刑装置を、“オカヤドカリ専用ヒーター”と銘打って販売していますが、これもその類いかな?
このヒーターで確実に殺せるのはオカヤドカリぐらいなので、専用というのは嘘ではないのですが…。
posted by プアマリナ at 21:24| 沖縄 ☀| Comment(6) | TrackBack(0) | 海水魚飼育とか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年08月11日

まさか!?ヤドカリのお殿様の霊がぁぁ(ガクッ)

予は嘗て、流通業関係の経営コンサルタントであつたゆへに、然る可きシンクタンクの「小売店における消費者動向」といふ極秘資料の観覧の栄に浴する機に、何度も恵まれていたのである。
その一部を、ここで無償にて開帳せむと思ふのだが、読みたいか。
では、こころして読め。

小売店に不満を感じた顧客10人のうち、直接クレームをつけるのは2人である。
クレームをつけぬ8人のうち、2人は何も云はぬで黙つておる。
残りの6人は、店に何も云はぬが、他の消費者に店の悪口を言ふて回る。

店の悪口を聞かされた消費者10人のうち、2人は実際に店に確かめに行く。
確かめに行かぬ8人のうち、2人は何も言はぬが、店にも決して行かぬ。
残りの6人は、確かめもせぬと、他の消費者に店の悪口を言ふて回る。

以下、無限に続くので、小売店にとつてクレームをつける客が、いかに神様であるかは自明の理であらう。
ちなみにであるが、予は神様ではない上に黙つておるのは嫌いである。
posted by プアマリナ at 17:11| 沖縄 ☀| Comment(5) | TrackBack(0) | モノ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年08月09日

Deca-J キッズ

decakids.gif調子に乗って、気鋭(?)のサイトDeca-J キッズを立ち上げてはみたものの、よく考えてみると、ひらがなばっかりで、もしかするとこのプアマリナは、小学校低学年の児童にオカヤドカリを飼わせようというのだろうか(^_^;)
まあ、基本的な飼い方は押さえてあるし、親のヘルプがあれば何とかなるかも(←無責任)。

ちなみに現在は、「おかやどかりのまき」までアップしました。
夏休みが終わるまでに次回の「かにのまき」を書けるのだろうか(T。T)

え? 大人向きのはないのかって?
いやぁ(^_^;) 今さらこのカシコない私が、大人の皆様方にお教えするようなことは…。
あ、でも、「やってはいけないこと」のページに書かれてあるようなこと、まさかやっていませんよね。大の大人の方が…。まさかねぇ(-.-;)
posted by プアマリナ at 19:45| 沖縄 ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | 海水魚飼育とか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年08月04日

夏休み(なつやすみ)の子供(こども)たちへ「オカヤドカリ(おかやどかり)を飼(か)おう」

子供たちへDeca-Jから抜粋)

なつやすみ あちこちの おみせで おかやどかりが うられているのを みるとおもう。
かわいいなって おもって かいたいなって おもう かもしれないね。
でも おとなたちが おかやどかりを かうことに はんたいしている。
どうしようって おもうよね。
おかやどかりが かわいそうだから かうのは やめようと おもうよね。
だいじょうぶ。
おとなたちは おかやどかりを かうことに はんたいしているんじゃ ないんだよ。
おとなたちは おかやどかりが かわいそうだから おこっているんじゃ ないんだよ。
しぜんの いきものを いえのなかで かうんだから すぐにしんじゃっても ながいきさせても どっちでも おなじ かわいそう。

でもね。
おみせにいる おかやどかりは きみが かっても かわなくても もう もとの しぜんに もどることは できないんだ。
だから かってあげると いい。
だいじに だいじに かってあげてね。
うまく かえても かえなくても いい。
いきものを いきものとして だいじに おもってあげれば いいんだよ。
そして かなしいことが あったときには おもいっきり ないていいんだよ。
そのきもちを わすれなければ きみたちが おとなになったとき おかやどかり だけじゃなくて ほかの たくさんの いきものたちが しあわせに くらしていける ちきゅうに できるんだ。

きみたちは 「いきものを たいせつに かいましょう」と いいながら いきものを たくさん ころすひとや 「あいじょうを こめて そだてて あげなければ いけませんよ」と いいながら おかねのことしか かんがえていない うそつきに なっちゃだめだよ。
おねがい するね。


大人たちへ

こんな簡単なことも解らん大人がいるとは思えないので、説明は省きます。
解ってんなら、とっとと署名して来やがれ(^_^;)

donotkill.gif
posted by プアマリナ at 16:13| 沖縄 ☁| Comment(12) | TrackBack(2) | モノ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年08月01日

せめてロス率を下げようよ

販売する側からすれば「原価が安くて人気のある好商材」に過ぎないオカヤドカリ。
キープする手間よりも、死んだら次々補充した方が効率的。批判を躱す目的だけで「生き物ですから大切に飼いましょう」と言いながら、但し書きの下では死屍累々。
同じ感覚で、適当に添付した「オカヤドカリの飼い方」を、あなたは信じますか?

信じないという正常な感覚の持ち主は、一度こちらをご覧ください。

ある一人のオカヤドカリ愛好家の方が、見るに見かねて立ち上がりました。
批判でもなく、押し付けでもなく、切々たる愛護精神を(愛好家でも愛護家でもない)私ですら感じ取ることができます。

ということを言い出すと、またぞろ「メーカー推奨の飼い方でも飼えるぞ!」と躍起になる人が現れるのでしょうが、その義侠心は方向違ってやしないかな?
例えば、できるだけ上手く飼えるようにと、自らの失敗談まで暴露して情報提供している方々に向って、今さらその業者の回し者人は何を証明してみせようというのでしょうか。
歪んだ自己満足のためだけに、わざわざ自腹を切って“生命あるもの”を危険にさらす(一般の)消費者がいるとも思えないのだが…。
posted by プアマリナ at 14:56| 沖縄 ☀| Comment(2) | TrackBack(0) | モノ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。